2016年8月8日月曜日

奨学金・ブラックバイト


先日、本部にて「ゆたかな教育をめざす全道集会」が開催されました。


あれもこれもと、さまざまな課題が現場に押しつけられている中で、競争主義にもとづく差別・選別の教育から脱却し、すべての児童・生徒にゆたかな学びを保障しよう、という趣旨のもと開催されました。

中心は、中京大学教授の大内裕和さんの講演でした。「ブラックバイト」の言葉を世間に知らしめたのは大内さんです。


海外では奨学金と名のつくものは、給付型しかないわけで、返済義務のあるものを奨学金と称していることは、海外では全く理解されないとのことでした。

昨年度になって、少しは有利子奨学金が減り、無利子奨学金の増加が見られますが、大卒者の半数以上が、借金を背負って社会人のスタートを切る状況は、ほとんど改善されていないそうです。

新卒の立場で一千万円以上の借金を背負い、返済が滞れば、延滞金が発生してしまう社会人も出ます。いくらお金を返しても、延滞金→利子→元本という順位で返済が充当されていくので、ひとたび滞れば、いつまでたっても返済が完了しないという悪循環に陥うおそれがあります。


また、貧困の連鎖は、学生のバイトにも及び、かつては考えら得なかった過酷なバイト状況が学生におしつけられています。国立大学だから、学費はそこそこは、昔の話です。年間の授業料は50万円を越えています。家庭からの仕送り額も減っている以上、多くの学生はバイトなしには、生活が成り立ちません。そんな状況の中で、「ブラックバイト」を押しつけられる学生らは、学問の機会を奪われています。

就活に不利になるかもという脅しもあり、ほとんどの学生たちは、素直に不払い労働や商品の買い取り等、理不尽な要求を受け入れています…。



そして、貧困層は、お金がかからないという理由だけで、「経済的徴兵制」に必然的とりこまれていく、との大内さんの指摘がありました。奨学金延滞者を防衛省がインターンとしてむかえる動きが実際にあります。


与党・野党は、一刻も早く、この劣悪な学びの状況を改善すべきです。


奨学金問題対策全国会議

大内さんtwitter




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