2017年2月15日水曜日
新学習指導要領案が公表されましたが…
小学校では2018年度から実施予定の新学習指導要領案が公表されました。
今回も、あれもこれもとさまざまな要素が盛り込まれた上、これまで自由度があった教え方の部分にも型をはめようとしているものです。
一方で、「アクティブラーニング」という子どもたちの自主性を重んじる学習を実施するとしています。「アクティブラーニング」というと、新しさを感じさせますが、従来より子どもたちが課題をみつけ能動的に学習にとりくむような学習スタイルは、教員によって試行錯誤され、実践が積み重ねられてきました。結局のところ、「アクティブラーニング」という名の文科省がモデルとする授業スタイルになっているかどうかがチェックされ、画一的な学習スタイルに陥ってしまうのではないのでしょうか。
「特別の教科・道徳」によって、子どもたちが、時の政権に従順かどうか、都合のよい価値観をもったかどうかが学校で評価されてしまう危険性もあります。多様な価値観が保障されていることを伝えるのが、教育の役割であるはずですが、全体主義国家的な教育が一層すすんでしまうおそれがあります。
今でさえ、時間割はびっしりですが、さらに小学校での授業時間数は増えます。かつての小学校低学年は、ほぼ午前授業で学校を終えたものですが、子どもたちがぼんやりする時間や遠回りして大事なことに気づくことも一層なくなりそうです…。
現場の教職員もぎちぎちにつまった学校という箱に無理矢理押し込み押し込みして、なんとかすき間を生み出し、こなしてきましたが、さらにまだやれという。教職員の大幅増という担保はほとんどないまま…(教職員加配は、年ごとにあったりなかったりですし、加配の教職員ができる業務内容は厳しく統制されており、学校の実態にあった運用はほぼ無理なのです)。長時間労働は一層ひどくなることでしょう。
生身の人間の一人ひとりが現場で自問自答し、子どもたちと悪戦苦闘し、ときにすれ違いながらも喜びや悲しみを共有している状況を、机上でプランしている方々はもっとイメージすべきです。
http://mainichi.jp/articles/20170215/ddm/005/070/053000c
全体主義国家的な方向性は、厚労省の方にも示されてしまいました。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201702/CK2017021502000118.html
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